質問の練習になる「コーチング・ワーク」
コーチングの質問例1~7のステップ.PDFファイル (印刷用)
(コーチングの質問例1~7のステップの印刷用WEBページはこちら)
質問の練習になる「コーチング・ワーク」
「コーチング・ワーク」のデモンストレーション動画
【時間の使い方】 合計100分
1・ガイダンス(主旨説明、お願い、対話的場を作るためのご提案など)5分
2・自己紹介(今ここで呼ばれたい名前、今の心と体の状態、参加するにあたって心配なこと、この場に期待すること、最近の出来事などから お一人1分以内で)10分
3・コーチングの流れの説明 5分
3・デモンストレーションとグループワークの説明 15分
4・グループワークの実施 (17分×3回)合計55分
5・振り返り(お一人ずつ今日の感想)10分
1・これからやることのイメージ
コーチングを参考に、質問は、オープンダイアローグや未来語りのダイアローグに出てくるものや、問題解決に焦点を当てた質問、ナラティブにまつわる質問、円環的な質問などを例として用意しております。
普段しないようなユニークな質問を色々としながら質問をする練習になったり、質問されることで、自分には無かった発想が思いついたり、励まされるような気分になればと思っております!
◇オンラインでのご注意点
・このグループワークで呼ばれたい名前をご登録下さい!
①事前に、Zoomのアカウントを作り、マイプロフィールの名前をグループワークで呼ばれたい名前にご変更下さい。
②参加後すぐに変更も可能です。
ZOOM画面上で、右クリックすると「名前の変更」ができます(パソコン)。
・同じ場所で複数の媒体で参加した場合、ハウリング(キーンという音の発生)が起こる場合があります。その際は、ヘッドセットで参加して頂くか、離れた場所で参加して頂くか、音量を下げて頂ければと思います。
・最初は、ファシリテーターからの説明となりますので、消音にしてお聞き頂ければと思います。
2・自己紹介
全体で、お一人づつ自己紹介をして頂ければと思います。話し終わった際に拍手などして頂くことをご提案いたします。お一人1分くらいです。
『今日呼ばれたい名前。今の心と体の状況、最近の出来事、この場に期待すること、好きなリラックス方法』などから、話してもいいかなという範囲でお話し下さい。
※その他の自己開示の内容(地域、職業、他)は各自におまかせします。
3・ガイダンス
【お願いしたいこと】
この後のグループワーク内でお聴きになった内容は、この場に閉じて頂き、他言しないようにお願いいたします。
【参考にするコーチングとは(一つのとらえ方)】
話し手のテーマ(理想、目標、改善したい課題など)を共有し、効果的な質問をすることで、相手が主体的に行動できるように支援することだと捉えています。問題(課題、悩み、原因)に焦点をあてるのではなく、解決するにはどうしたらいいかに焦点を当てるのが特徴だと思います。
• 質問をして伴走するコーチ役と、相談をするクライアント役がいます。
• 質問では、理想の状態を聞いたり、様々な視点が持てる質問をしたり、主体的な行動を促すような質問をするのが特徴です。
【お互いが対等な立場で、相手を尊重しながら参加するためのご提案】
ポイント①:否定、説得、諭す、ダメだし、アドバイス(助言)等コントロール性の強い発言はお控え頂くことをご提案致します。
ポイント②:自分の気持ちや価値観は「iメッセージ」や「提案」という形で行うことをご提案致します。
iメッセージ:「私は〇〇と感じました。」「〇〇して欲しいと私は思いました。」「〇〇という考えが私の中に浮かびました。」など
提案:「受け入れて頂けるかはお任せします。○○してみるのがいいのではないかと思いましたが、いかがでしょうか?」
ポイント③:ご自身でも時間を計って頂き、お互いが平等な時間でお話しができることを意識して頂くことを提案致します。
「コーチングの流れ」
ステップ1~7の順番で、状況に合わせて、質問を選びながら進めていきます!
時間は17分以内で行います。
【ステップ1】「話のテーマを決める質問」
Q:「どんなテーマについて話されますか?」
Q:「今ここで話してみたいことはなんですか?」
Q:「最近、目標にしていることはなんですか?」
Q:「最近、困っていること(心配なこと)はなんですか?」
Q:「将来、こうなりたくないと思うことはなんですか?」
【ステップ2】「話が終わった時の状態をイメージする質問」
Q:「この話し合いが終わった時に、どうなっているといいですか?」
【ステップ3】「理想の状態を聞く質問」
Q:お話しするテーマが、将来どうなっていると理想的ですか?
Q:どうなれば、解決したといえる状態ですか?
Q:状況がよくなっています。自分や周りはどうなっていますか?
Q:自分も周りの人もだいたいのことがうまくいっています。どんな生活を送っていますか?
Q:問題が解消された時、あなたはどんな気持ちになりますか、特にうれしく思い、いいなと感じるのは、どんなことですか?
Q:その目的が達成できていると、あなたはどういう状態(気分や体調)になっていますか?
Q:明日になったら、課題(問題)が改善されていました。あなたはどんな気分ですか?
※明日以外に、一週間後、一か月後、半年後、1年後などでも)
※具体的に理想の状態のイメージを聴いてみたりするのもいいのではないでしょうか!
【ステップ4】「現状を明確にする質問」
Q:今の状態は理想の状態が10点だとすると何点くらいですか?
Q:目標(課題)に関する現在の状況はどのような感じですか?
Q:あなたが今心配していることは、どんなことですか?
Q:あなたの今の状態に名前をつけるとしたら「何状態」ですか?
Q:なぜ、その目標(課題)を選ばれましたか?
Q:具体的にどんな課題があると思いますか?
~ここまでを9分くらいで~
【ステップ5】「相手の視野を広げるための様々な視点からの質問」
Q:この目標を達成するには、どういった能力や知識が必要ですか?
Q:あなたの中の何を改善すると、解決に向かいそうですか?
Q:やった方がいいのにやっていないことはありますか?
Q:やらない方がいいのにやってしまっている ことはありませんか?
Q:〇〇の立場だったら、あなたに何と提案しますか?
(母親、先生、上司、部下、夫、親友、神、死ぬ前の自分など)
Q:もうひとりのあなたがいたら、なんと言ってあげますか?
Q:今この場に〇〇さんがいたら、なんと言うと思いますか?
Q:このことが周りの人にどんな影響を与えていると思いますか?
Q:周りの人と協力できそうなことはありませんか?
Q:周りの人に対してお願いしたいサポートには何かありますか?
Q:その心配を減らし、小さくしてくれそうなのは、どんなことですか?
Q:今まで似たような状況の時は、どうやって乗り越えてきましたか?
Q:今まで、例外的にうまくいった時は、どんな時でしたか?
【ステップ6】「行動を決定する質問」
Q:「なにか小さな一歩で、あなたがすぐにやれることは何ですか?」
Q:「さっそく明日から始められる行動は何ですか?」
Q:「なにか意識して変えられそうなことはありますか?」
Q:「誰に何と言って、協力を求めますか?」
Q:「まず、誰に相談してみますか?」
Q:「周りと協力して、やれそうなことはなんですか?」
Q:「ずばり、あなたは目標達成のために何をしますか?」
【ステップ7】「振り返りの質問」
Q:話をしてみていかがでしたか?
Q:話し終わっての今の気分はいかがですか?
Q:話したことで気づいたこと、整理されたことは何ですか?
Q:当初、予定していた話し合いの目的は達成できましたか?
Q:私の質問は、あなたにどんな影響を与えたと思いますか?
【補足の質問】
・〇〇と話したことについて、もう少し詳しく聴きいてみたくなりましたが、いかがでしょうか?
・〇〇と話したことについて、具体的なイメージがあればお話し頂けますか?
・〇〇〇〇と話されたことは、要するにどういうことなのか聞いてみたくなりましたが、いかがでしょうか?
・ここまでで、話したいことが話せているでしょうか?
・何か加えて話したいことはありますか?
・何か聞いて欲しい質問はありますか?
【ポイント】
・ステップごとの質問を①から順番にして頂くことを提案致します。
・質問をするコーチ役の方は、設定された時間の中で、ステップ⑦までの質問が終わるように、時間配分を意識して頂くことを提案致します。
・どの質問をするかは、話の内容に合わせて選んで頂くことを提案致します。
・ステップごとに、1~3つくらいの質問を選んで進めて頂くことを提案致します。
・あくまでも、コーチ役の方は質問をすることに意識を置いて頂き、いつのまにか、自分の意見やアドバイス、自分の経験談など話しているという状態は避けて頂くことをご提案致します。
4・デモンストレーション
コーチングの形式を使ってグループワークを行う前に、デモンストレーションを行います。上記のステップ1~7の質問を選びながら、話し手に合わせてめていきます。
5・グループワークの実施
3人一組のグループに分かれて、コーチングのグループワークを行います。あいうえお順で順番を決めることをご提案します。
①話をするクライアント役、②質問するコーチ役、③オブザーバー役、を決めて頂き、17分くらいでコーチングを行います。
役割交代で3回実施してください。3人目の方は、画面を消して、時間管理をお願い致します。チャットなどで、「あと7分くらいです。」「あと1分くらいです。」などとメッセージを送り、時間になったら画面をつけて「時間です。」とお伝えください。
※注意:55分後に強制的にグループは解散してしまいます。
※参加人数によっては、2名一組で実施致します。
6・振り返り
全員で集まって、振り返りの感想を言って終わりです。お一人1分くらいでお願い致します。
7・終わりのご挨拶
どうもお疲れ様でございました。
準備して頂くもの
・こちらの資料を手元にご用意頂けると参加しやすくなると思います。
・グループワークの際に、時間を計りますので、タイマー機能のあるものをご用意下さい。
※スマホでご参加の場合は、スマホ以外の時間を計れるものをご用意ください。
・リラックスして参加して頂きたいので、どうぞ飲み物や食べ物をご用意してご参加下さい!
【参考文献】
・「〈森・黒沢のワークショップで学ぶ〉解決志向ブリーフセラピー」ほんの森出版 森 俊夫 黒沢幸子 2002年
・『ワークシートでブリーフセラピー』黒沢幸子 ほんの森出版 2012年
・「コーチングが人を活かす」 鈴木義幸 ディスカバー携書 2013年
・「コーチングの手法と実践がよ~くわかる本」谷口祥子 秀和システム 2016年
・『 「良い質問」をする技術』 粟津恭一郎 ダイヤモンド社 2016年
・「コーチエイ テキスト」 2016年度版
・「ダイアローグ文化の醸成を目指して ダイアローグ集中研修会」資料 白木 孝二 2019年
・「オープンダイアローグ対話実践のガイドラインウェブ版」 ODNJP